ほ:ポルノ

『ほ:ポルノ』

大丈夫かな?このタイトル。もちろん阿佐ヶ谷スパイダースさんの作品『ポルノ』のことですので、あしからず。

この『ポルノ」って最近気が付いたのですが、阿佐ヶ谷スパイダースの旗揚げ公演『アジャピートオジョパ』のリメイク作品だったんだね。前作の2つのお話に、『ポルノ』ではもう1つお話をつくって3つのお話が絡み合ったお芝居です。

『アジャピートオジョパ』では政治家志望の夫と人形を我が子だと思い込む妻という設定だったようですが、この人形が、人間になって、その役を伊達ちんが演じています。『アジャピートオジョパ』の頃は伊達ちんはまだ舞台監督だったんだよね。

さて、この『ポルノ』ですが伊達ちんがなんともセクシーで好きなんだよね。大学生のなった頃がなんともかっこいいです。分かる人には分かる、卒業してきたっていうときね。黒いスーツに細いネクタイでね。かっこいいです。

3つのお話の中で、政治家を目指す夫の家の話が一番好きです。後半までずっと一人の青年を拉致して自分の子供だと言い育てている妻がおかしいと誰もが感じていた。しかし実は夫が同じことを妻にしていたということなんだよね。確かに、この物語の中でもちょいちょいそのような会話が出てくるんだよね。何かあると。

おかしいながらにも成立しているように思えたこの家族が、怖いんだけど、どうなるの?と思いつつ気になってしまいました。やっぱりこの辺が長塚さんんが上手だなーと思います。このお話だけ笑いはなく、独特な怖さがある。もう1つの作品では怖いんだけど、面白い笑いの部分があり、3つ目はどちらかというとファンタジー的な要素がありながら、この3つが絡み合っている。

やはりタイトルの『ポルノ』と言うのから分かるように、どこか見てはいけないものを、ちょっと覗き見をしてしまっているようなそんな感覚になるこの作品は、伊達ちんの役柄でも大好きな作品です。